ツインピークス 2017 リターン(the return) ネタバレ感想

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遅まきながら、ツインピークスthe Return(リターン)をレンタルDVDにて鑑賞しました。

この後、ローラパーマ―最後の7日間を見直して、シーズン1からドラマを見直す予定なのですが、現時点でのフレッシュな感想を書いておきたいと思います。

なお、この記事では、内容のネタバレも入っていますのでまだ本編をご覧になっていない方はご注意ください。

私とツインピークス&デビッドリンチ

最初に1990年代に公開されたテレビシリーズのツインピークスについてちょっと触れておきます。

私はリアルタイムでツインピークスを見ていません。

ただ、リンチ作品は、「エレファントマン」、「デューン(砂の惑星)」、「ワイルドアットハート」を公開時に劇場で鑑賞。さらに「ブルーベルベット」と「マルホランドドライブ」をレンタルDVDで鑑賞しています。

「なんかよくわからないけどシュール」なリンチの作風は結構好きですが、いわゆる熱心なリンチファンではないです。

ツインピークスは、放映当時夢中で観ていたという旦那に勧められて、2014年の夏にまとめてDVDで視聴し、さらに劇場公開版のローラパーマ―最後の五日間も観ています。

奇妙だけどリアルな面もある登場人物や、複雑な人間関係、唐突な話の展開など結構楽しめました。

しかし、登場人物の多さや、リンチ特有のぶっ飛んだ展開もあったので、なんだこりゃ?という印象も大きかったです。特に最後の方のブラックロッジとか最終話、クーパーがボブ化(?)してしまうところで終わりとか・・・消化不良って感じでしたね。

25年間のギャップと変化に驚いたり、懐かしかったり

前述のように、私自身は前シリーズを見た数年後に新シリーズを見ることになりましたが、まずは前作との比較で印象に残ったキャラについて書いておきます。

まぁ仕方ないことだとは思いますが、前作から続けて出た人たちはみんな年取りましたね。もちろん、良い感じに年取った人もいますし、えええ?って人もいますが・・・その中で、一番変化に驚いたのがこの人。

ボビーが保安官になってたってマジ?!

不良高校生でタバコは吸うわ、酒は飲んで運転するわ、にとどまらず、麻薬までやっていて!人妻と浮気までして!麻薬の売買がらみで人まで殺していたあのボビーが何で保安官!?

多分、新シーズンで一番変わったのが彼だと思います。高校生の頃のやんちゃな面影はなく、法と秩序を守る人って感じで、渋かっこよかった。シェリーとの間に娘がいるけど、シェリーとはもう別れちゃったみたいですね。

オードリーが嫌なおばさんになっていた!しかも・・・

オードリーは、ホテル経営者のベンの娘で、私の中では小悪魔的な憎めない娘ってイメージでした。

以前のシーズンの最後の方では銀行で爆発事故に巻き込まれていましたよね。どうなったんだろうとずっと気になっていたので、出てきてくれてうれしかったのですが・・・

なんだか文句ばかり垂れているどうしようもないおばさんになっていてかなりショックでした。そして、今回のシーズンの中でも、なぜかオードリーと旦那の会話が「同じような話ばかりしていてどこにも行かない」感が強く、いらいらしたのですが、最後の方になって、これはこれで意味があったのでは、と思いました。

オードリーと旦那がロードハウスに行って、いきなり踊りだす場面で、突然はっ!と覚醒するような場面がありました。彼女は白い服(患者?)を来て、別の場所にいる。

もしかして、オードリーは、銀行の爆発事故からずーっと植物人間状態で病院にいたのかもしれないと思いました。

そして、オードリーの息子であるビリーが「父親を知らない」というベンのコメント、入院していたオードリーをクーパー捜査官が見舞いに行ったという誰かのコメント、さらにボブに乗っ取られたクーパー(黒クーパー)が、ビリーが死んだ後「息子」と呼んでいたことから、

おそらく病院で無意識状態だったオードリーは、黒クーパーに妊娠させられたのでは?

これに気が付いた時に、オードリーと夫の会話の不自然さの理由がわかりました。彼女は閉塞した世界に囚われて、抜け出せないでいるんじゃないでしょうか・・・

ジュリ―・クルーズがロードハウスに戻ってきた!

今回のツインピークスは、各話の最後にロードハウスで様々なミュージシャンのパフォーマンスを披露します。これがまた楽しい^^(そうでない回もいくつかあります。)

前作で何とも言えないふわりとした歌唱法が印象的だったツインピークスの歌姫ジュリ―クルーズが、最後の方で現れます。

曲はThe World Spins。

すごく印象に残ったシーン、エピソード

ここでは、リターンズで特に印象的だった場面、個人的に良かった、感動した場面をいくつか取り上げます。

核実験とボブ、シュールレアリズムの衝撃!

個人的に、おもしろいとか、面白くないとかではなく、第8話にヤラレました。エンタメドラマでこんな映像見たの始めてです。

核実験のキノコ雲、奇妙な存在から吐き出される煙にボブの顔・・・

衝撃的なイメージです。

私は口をあんぐりと開けてみていました。

いや~、これって商業的な作品でやっていいの?

単なるドラマと思って観ていた人とか、ついていけないでしょ!?

とにかくすごいです。(すみません、語彙力なくて。)

オペラ歌手みたいな女性や巨人、墨にまみれたような男たち、虫とカエルが合体した奇妙な生物とか、なんだかよくわからないんですが、とにかくヤバい。

これを見た時、私はデビッドリンチは天才だと確信しました。

しかし、これはアレですかね。邪悪なボブという存在は、核分裂で生み出されたってことですかね?

ダイアンが実際に存在していた!

クーパー捜査官の元秘書だったダイアンが画面に姿を見せるのも、新シリーズでの見どころのひとつ。

しかも、ダイアンを演じるのは、デビッドリンチ映画でおなじみの大女のローラ・ダーンです。

白い髪にスタイリッシュな服に身を包み、とげとげした態度のダイアン。彼女は黒クーパーの影響下にあり、黒クーパーとモバイルメッセージをやり取りしていましたが、FBI捜査官に銃で撃たれてブラックロッジに転送されます。

しかも、その後、最後の最後になって、目のない異世界の女がクーパーの目の前で赤い髪のダイアンに変わるんです。これ、何だったんだかまったくわからない。

さらにシーズンの最後には、ダイアンは「リンダ」となって姿を消してしまいます・・・

唯一の救い。戻ってきたダギー

今回のシーズン、「どうせリンチだから、謎が解けてすっきり終わるわけがない」と思っていましたが、やっぱりそうでしたね。

クーパーが介入したことで、ローラは死ななかったけれど、世界は変わってしまいます。

その中で唯一の救いは、クーパーに依頼された片腕の男により、もう一人のクーパーが生み出され、ラスベガスのダギー宅に戻っていったことでしょうか。

このエピソードがなかったら、リターンはかなり味気ない感じで終わったと思います。

「ローラパーマ―の最後の7日間」で天使が現れたのと似た計らい、と感じました。

全体的な感想

予想していた通り、謎はほとんど解決されず、視聴者は謎に翻弄されつつ新シーズンは終了。

「わけわからん!」
「意味がない!」等、

怒っている人も多いのではないでしょうか

しかし、私は今回のシーズンを観て、ひとつ悟り(爆)のようなものを得ました。

それは、

デビッドリンチはシュールレアリズムに影響を受けているので、ロジカルな分析で理解できない部分が大きい。

絵画を見るように、全体をひとつの作品として楽しんだ方がよい、

ということです。

 

そもそも、リンチには謎解きをするつもりもないでしょうし・・・

まぁ、なんやかんや、リターンズ、楽しかったです。続きのシーズン、できるんでしょうか?リンチ的には続編を制作するつもりみたいですが・・・

期待して待ちましょう。

 

これから最初のシーズンに戻って一から見直しますので、その感想もまた掲載出来たらと思います。

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